残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

たまに絵を書く話

遠近法で円を圧縮する話について。(数学もちょっぴり)

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パースのついた円の描きかた - Togetterまとめ
すでに正解はでているのですがたまに誤りを見つけます。
アニメーターさんとかがタイヤを書くときには正楕円じゃいけないんだ!といっていた気がする。けどそれはちょっとおかしい。
補助線ではもともとの正方形を長方形じゃなくて台形につぶして「ホラッ」といっていらっしゃいましたけどそれでは数学上、正楕円でないものになるとはいえないのです…。すごくおおざっぱに言うと、二次関数に一次関数をいくら足しひきしても位置がかわるだけ。楕円のツブレ方はx^2やy^2の係数とかで見る。x,yの項が効くのは位置だけですね。
 
えーと、円をフォトショの遠近法で台形に圧縮しても、普通の変形で長方形に圧縮しても、どちらも数学上は正楕円です。
まず長方形圧縮。f:id:NAPORIN:20160316160406p:plain:w250
長方形の圧縮はx^2+y^2=1 がx^2+2y^2=1に変わる。
graph.tk ではy^2=1/2-(x^2)/2ですね。(上半分しか出力できないサイト)
フォトショ特有の遠近機能はたとえば
f:id:NAPORIN:20160316160453p:plain:w250こうなりますね。
これを関数サイトに入れるとアイレベルでやったとするとxに(1/2)xを代入してついでに傾けるために上半分ならたとえば-0.2x+1/2という関数でもたしておけばいいのですが、やってもなぜか同じ形の楕円がつるんと左に逃げるだけの結果におわります。
で、上に貼った2枚をダウンロードしてレイヤーで重ねて下さい。だいたい同じです。*1f:id:NAPORIN:20160316163741g:plain:w250gif動画。点滅っぽいので人によってはあんまり見つめないほうがいいかも)
台形圧縮だとパース補助線にあてはめやすいかわりに中心点はどうしてもズレる。長方形圧縮でも、もちろんタイヤの奥行きだけでなく高さもちゃんと計算して圧縮しないといけません。フォトショはさらに線の厚みが手前が厚く、奥は薄いようにしてくれます。これが余計な邪魔になる場合もありますが、影塗りにつかうのならそれらしい場合もあるかもです(楕円が違わないとわかっていれば遠慮無く反転できるので、奥行きの厚みを描くにはいい感じかも)。線の厚みがイヤならまずシェイプの円を変形していくことになるんでしょうけど。
 
漫画家さんは、やっぱりもののとらえ方で絵が上手いかどうか決まるのだとおっしゃいたかったのではとおもいます。1点よりは常に3点透視(魚眼)をちょっとだけ意識して、そのうえで天使の遠近法(うそっこパース)などを駆使するとかっこいいのではないでしょうか。以上、昔は建築士のテンプレート定規がほしかったnaporinでした。

*1:ただ、内側のラインがズレるのでピコピコ感がわりとあるのと、フォトショ特有の遠近ではライン太さでわかるように奥行きもいじってるのでちょっとしたズレはでます