残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

NHK女子高生の貧困について一言だけ。/高校生はこんがらかっている

一言といっても長いですけどね。
 
女子高生にせよ男子高校生にせよ、まじめにせよ不真面目にみえるにせよ、貧困と混乱の状態には必ず陥ります。
なぜかというと、「高校生になったらいきなり、なんでもできるようになった」からです。
職業に絵かきを選ぶにも、筆をもってみないとエイヤで選ぶことはできません。
いやいやちがいます。義務教育の小学校~中学校でもってた絵筆と絵の具のことではありません。
義務教育で与えられる道具で最初からプロレベルにうまくかける人なんていない。でもだからといって全員に将来高い割合で無駄になるから絵の具と図画の教科書を配ることをやめておけというのもおかしい。ここまではみんな納得するでしょう。
でも将来自分が絵をかいて暮らしていけるかどうかどうしても知りたい人は、絵の具ではなく一度ペンタブレットとクリスタを所有して触ってみないとだめなんです。クリスタを自力でインストールしてみることができるか、ユーザーアカウントを自力で管理できるか。どうしても才能の偏りによりコンピューターを扱うことができないから割安のクリスタ(ソフト)をあきらめて非効率でも手で書くプロ、というのも居ますけど、そちらの画材はもっと高いってツイッターで絵師さんがいってるんです。金があったら一度に購入して、1週間以内にシステムのすべてを動作確認して、動作しなかったからせめてハードウェアだけでも返品か転売、もできるのですが。
絵を書きたい(音楽をやりたいでもいい)高校生のうけるメッセージとはこうです。
「やってみないとわからない」「無駄金つかってみないとわからない」「なんでもやってみろ、金ならある程度出してやる」「でもやっぱり無駄なことはやるな。」
あるいは
「無駄かどうか知りたければ大人の目で付き添ってしっかり調べてやろう」「でも俺にその暇がある日は今日じゃない」
高校生の日常は二律背反のこの繰り返しです。ぶつかってみないと壁があることが見えない。でも身の回りの大人は中学生とおなじすべてを管理された子供の位置に出来る限り自分をおいておこうとする。
ある意味では高校教諭がIT系の職業指導には無能で、漫画研究会も十年一日のペンとインクなのもどうかとおもいますが、それもここでの主題ではありません。
高校生が高校生として生きるにはもうほぼほぼ、大人とおなじだけのお金がかかるんです。服も食べるものも一人前ですしファミレスでも遊園地でも大人一名さま扱い。でも本人は給料は稼げないので、中学生より急に貧困を感じるのはあたりまえなんです。
高校生~大学生はどうしても、どうしてもお金がかかる。日本の重税化、ワークシェア化により親が支えられない場合も増えてきた。
 
漫画にせよ、楽器にせよ、スポーツにせよ、なんでも同じですが、本物の道具にさわらせて才能の壁にぶつからせて経済的に無傷のまま諦めて次のやり方をトライ、ということを少なくとも数回はさせてあげられる状況がなくてはいけない。
彼女を叩いてよい資格のある人などないでしょう。「自分たちはそうではなかった、経済的な理由で部活にさえ(いや高校にさえ)参加できなかった」という人だけが彼女と同等の立場にいるのでしょう。そうであっても教育制度の不備を憎んで彼女を憎まずが本来では。政治家が高校生を叩くなんてもってのほかだとおもいます。
奨学金制度の不備で、少子化にもかかわらず学費の安いはずの国立大学にも通えないお子さんには、なおさら早いうちに国がチャンスをあたえないといけないとおもいます。