残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

今さらですが「バケモノの子」を見ました

細田守さんの監督なさったアニメ映画には他にサマーウォーズなどがあり、どれもわりあいに好きです。見るとアガるし、映画公開時も何回も行こうとおもっていたのですが、諸事情でのがしてしまいました。ただ、毎回見たあとになんかもやもやーっと考えてしまうのですよね。今回もちょっといろいろ自分用メモ。ちょいと文句っぽくなっちゃうので、熱烈なファンの方などは読まないほうが良いと思います。ネタバレもたくさんあるので未見の人もみないでね。
・ロゴがすごくそっけない(MSゴシックかとおもったくらいだが毎度モリワキゴシックだそうです。もう見慣れており事務的に感じました)。「の」を小さくした以外も「ケ」のバランスとかなんか妙に不揃いにみえてひっかかってしまった。予告編でゴシックをたくさんみる映画館では映えるのかもしれないがテレビCMだと細丸ゴシックみたいな世界。そこからいきなり液晶でみてしまってワードかパワポのような違和感があり残念。
・次郎丸の声がベテラン声優さんに聞こえて、次郎丸の好感度が上がる。最終的にもいい子だった。
・百?坊とタタラのバブみにちょい萌えしたものの、最終的には助言者としての役割もチコ・楓に8割持って行かれてしまった、結局あまり報われない不憫キャラに。
・レベル高いし、よくできていたしなにも嘘はなかった、それでよしとしよう。自分が角にスパイシーな作品に慣れすぎたのだ。といったんは自分にいいきかせた。
 
・一夜明けても「バケモノの子」のダブルミーニングなどいろいろかんがえちゃうから印象深い作品ではある。
 
・見どころ一番は殺陣と筋肉かと。文句なしに見てておもしろいシーンだった。作画は(ポーズ自体が完コピであっても)大変だっただろうと思う。アニメ名人芸。モーションキャプチャでもないだろうし。
・キャラもよかったよ。もっとバンカラ色かとおもったけどそうでもなかった。
 
・どうしても気になるのがちょっと自分勝手な部分もあるストーリー、人物描写、世界描写。
・なんでヒコが、キュウタのよめなかった「鯨」(背表紙には「白鯨 メルヴィル」とのみあったはず、他にも情報あったのか?)を海生物クジラとしてビジュアルや動きまで理解できたのか。挿絵頁をたまたまみた? 海はそもそもあっちにあるのか?
・ヒコの髪色とか前世?も気になった。
・一番わりをくった人、たとえばヒコ(美人)や宗主(美人)やクマテツ(かっこいい)の行方がすごく気になるけど何も描かれない。チコもほのめかされたものの謎のまま。
 
・他の作品や監督と比べるべきではないんだけど、「君の名は」にはストーリーにこれほどまでもやもやしならなかった*1もともと作品はどれもツッコミ脳で見るべきもんじゃないんだ。しかし、それでも言わせてもらえば
・あの社会には「もののけ姫」のモロやオッコトヌシほどの研がれたリーダーはいない、宗主が血統=世襲で決まるわけでもない。じゃあ民主社会? そのわりには、詰めがあまいというか、なあなあではないだろうか?
・どのように避雷針つき大スタジアムがつくられたか? 裏である日本からの影響だろうか? こういうことをちまちま考えるのが設定厨の弱点かもしれないが、人となりを社会背景ごと把握しきれないと感情移入しきれない部分がある。主人公も途中で急にスーパーマンになってしまうし、父親との関係もそこだけ妙にリアルで現代人的だし。どこにフォーカスをあてて感情移入していいやら・・。
・まあ最近の若い男子(主人公)やさほど若くない男子(監督世代)には世代も性別も違うんだから感情移入できなくて当たり前なのだが。背景として、細田さんと新海さんなどの世代は「今の日本」「都会での暮らし」が好きすぎてドイナカとかあんまりいかない、みないの?とか。五右衛門風呂とボットンをつかったことがないアニメ作者さんは多いと思う。
・でもその上でもなんとなく、突き詰め方とか描写のちがいは感じる。どうして2箇所の出入り口がある家にすんでいるのか?? その後のストーリーに必要だからとかではなく気候が温かめだとか貧乏でとか理由はあったはずだとおもうけど、「異世界」に放り出されたのなら細かく情報だしてもらえないと全く意図がつかめない。「異世界」が異世界すぎて愛せない。フェンスとか宗主屋敷の壁の細工はかわいかったけどね。
・今回見たのが本当にノーカット版なら、監督も異世界なんかてきとーに滅びていいんだというふうに扱ってしまっている。エンディングロールになんか復興図会とかあったのかなあ。
 
 
・卵かけご飯は醤油多めにいれて生臭みを消して味の素かけたらおいしいけど、いきなりいった外国でやると生卵自体でお腹壊すかもよ。(ハクのおにぎりは食品衛生面からもすごくよかった。)どちらにせよ、日本独特の食べ物で、外国配給時ローカライズには苦労するだろうなあ。
・あ、クラスタさんがいってたシモンとカミナっぽい師弟関係はたしかにゆるやかに思い出したw
・もしかして細田監督は、ダイケンじゃなくてコウニン、など楓ちゃん経由の豆知識?が一番いいたかったのではないだろうか*2。でもそれなら大事なシーンになるはずの、楓ちゃんがUターンして女性地方公務員と会話するシーン、なぜそうなったかのきっかけはいまいちよくわからなかった。(両端カットで見切れてたのかも)
 
以上、なぽりんの感想でした。

*1:君の名はでモヤったのは朝ニュース番組がしつこく君の名はのネタバレしてくることくらいだ、その後補完小説版もあるって知ったし。あと大好きな脚本の中島かずき作品では中島さんが歩く設定さまだからうっかりつっこむと思いがけない遠くまでつれていかれるからつっこめません。

*2:サマウォのテーマは「田舎に婿としてわけいっていくと濃密な人間関係に衝撃をうける」だというインタビューもあるし