残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

晒木綿についての覚書

サラシ、さらし木綿は木綿糸を平織りにしてさらし粉(次亜塩素酸ナトリウム)を用いて漂白した布で、昭和までは身近にあった。販売時の長さは1反、幅は3~4寸程度だと思う。100%木綿なので伸縮性はほとんどないが吸湿性は高い。
1.怪我の手当 
 木綿の平織り(薄手)を10センチ四方に切ったものはガーゼとして傷に貼られた。今は閉鎖療法が主流なのでガーゼは直接は用いられない。またサラシを細長く切ったものが丈夫なので包帯にもつかわれていたが、今は留め具不要の伸縮性包帯(内側の絆創膏などを抑えるためのもの)が主流。サラシてある=消毒済みであるので衛生のためにつかわれていた。なお、昭和中期に市販ナプキンが出現する以前の生理用品としては脱脂綿が主流だったそうだがサラシも抑えるためにつかっていたかもしれない。
2.肌着
 女性の大きすぎる胸をおさえたり、武士が真剣試合の前に内臓損傷を予防するため腹に巻いたり、妊婦が安産祈願腹帯として腹に巻いたり、腹帯をそのまま切って出産後に布おむつとして使用していた。また部分的にねじってヒモにすることでそのまま男性用下着であるふんどし(六尺褌)として使えた。洗ったサラシを夜干ししたら風に飛ぶありさまは、一反木綿という妖怪のもとになった。
 女性の胸や武士の体に白い布を巻く表現は漫画などにのこっているが、サラシをそのまま巻くのではなく、割いて幅を細くしている形状のものが多いように見受けられるし、現代のスポーツでは木綿そのままでは伸縮性がないので好まれない。
3.(必要に応じて染め)切ることで手ぬぐいとして使うこともできる。
 現代でいうガーゼ地のフェイスタオルのようなもので、ズボンの腰のベルト通しに通してぶら下げている表現が初期のサザエさん、ショージくんなどの漫画の随所に見受けられたと記憶している。
 
同様に昭和にはあったが今は通じないだろうものとして、ちゃぶ台(ひっくり返すためのものではない)、黒電話(ボタンがない)などがある。付録つき雑誌も子供のためのものはあまり見られなくなった。