残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

キズナアイを利用した炎上コンテンツの作り方をNHKに学ぶ(炎上しぐさまとめ)

※以下で「元凶サイト」とはまるわかりノーベル賞2018|NHK NEWS WEBを指します。

1.タイトルは実際より大げさにする。

 今年の受賞内容が特定されてない記事にも「まるわかりノーベル賞2018」とつけておいたほうがSEO的に迷惑で炎上しやすい。

2.個性とか余計な手垢のついていない手頃なコンテンツのなかでキズナアイを選ぶ。

 一度炎上しているからなんでも言うことを聞く。ソシャゲコラボみたいに「世界観が合わない」などと断られたり厳密な使用条件を飲まされることもない。相手の解説の先生との服装の違いも突飛でいい感じだ。他のNHK番組での使用実績もないから、ユーザーにとって謎な女で魅力的だろう。

3.アイ側原稿はNHK科学部と中の人で打ち合わせて書く。

 一度炎上済みのキズナアイには交渉次第で個性がまげられるのがいいところ。あだなが親分だとか余計なユーザー親和性はぶった切り、思い切って平凡なNHK色に染めてしまえば違和感マシマシだ。スキンと声としぐさだけ残ってればかわいさだけが残るだろう。

4.わざとらしく「私はAIなんで~」と設定どおりのセリフを言わせる。

 ここだけは都合よくキズナアイ側の設定に従おう。「会話できるレベルのAIがまだ存在しない」なんて科学的事実をおしつけたらせっかくの個性がなくなってしまうし、せっかく流入したアイファンの夢を壊すからね。電脳ノーベル賞がないから、事前に「これは科学解説的にNGだろ」なんて人工知能のプロから余計な指摘をされないのも炎上には都合がいい。この決めゼリフ周辺だけ1分42秒の動画で掲載しておけば、現在の人工知能開発の到達レベルを知ってるユーザー以外は、キズナアイが人間なみの判断ができる存在だと思いこんでくれるだろう。これで、かなり思い入れに差ができてくるぞ。ノーベル賞解説にしては突飛な服だって、キズナアイ自身の個性だからだって言い訳しやすくなる。便利な隠れ蓑の完成だ。

5.パソコンで閲覧したときだけ、キズナアイのへそ出しコスの全身絵をにゅっと左からスライドインさせ、セリフボタンでタイトルコールさせる。

 これでパソコンを使ってる人へ、宣伝窓的なしつこさ(古のmarqueeタグとかフロートみたいな)の雰囲気が出せる。スマホで見られるエリアでは肩から上しか載せないから、炎上ツイートリンクから飛んでくるスマホユーザーには、なんでアイがへそや太ももを出してると指摘されているのか理解できない。端末の違いを利用してうまく対立構造を演出してやろう。ユーザーはしばらく相手が見ているものが自分とは違うことに気づかず、相手がキチガイじみた理由で怒っているのだと思いこむぞ。

6.一旦炎上がはじまったらキズナアイ自身が悪いことにして何も援護しない。

 内容のターゲット年齢層などを何もマーケット調査せず、文脈も表現規制も社会状況もかえりみず、ただただ異業種コンテンツを適当に組み合わせた自分たちが悪かった、他局アニメのはたらく細胞よりずっと中高生にわかりづらくてごめんなさい、・・なんて余計なことをいったら受信料払ってる人におこられちゃうからね。すべてはキズナアイ自身が自分の意志でやったこと。偽AIの腹話術人形じゃなくて実在に近い考える女AIが炎上したことにすれば哀れさが増して自然に擁護派がでてきてくれ、むしろ今まで築いた集客力が強化されるだろう。
そうそう、なぜか擁護派が勘違いして、ありもしないテレビ放映版動画での話をしだしても、NHKブランドで勝手に勘違いしてくれただけだから訂正情報も出す必要ないぞ。元ネタ読まない炎上なんてマーケティングにはもってこいだし、別に手をうつ必要もない。

7.クレームも抗議も、受信料払ってる人からし聞く耳もたない。でも受信料払ってる人からの抗議がたくさんあってもサイト内容は取り下げない。

 それがNHK全体のポリシーだからね。法律で決められた受信料払えよな。
   

記事の目的について解説します。

上の内容はNHKで元凶コンテンツ制作者の考えを想像して書いたものですが元凶サイトの現象についての描写はおおむね事実です。*1
この記事は、NHKの仕出かした不手際を列挙し咎めるために書いています。これらの不手際によりキズナアイは名声に被害を受けたと言っても良いでしょう。
世界観が根本から食い違うコラボへの反感や炎上はゲーム業界であればよく知られているのに、NHKはあまりにも無神経だったと思います。
NHKに抗議の声を上げた方がいいのはどちらの陣営なのかとおもうと、理不尽をかんじざるを得ないのでかきました。(なぜか抗議した人は「通報厨」「拙速」といわれていますが・・)
この記事に書き残したNHKのやりくちを反面教師にして、より良質なコラボコンテンツが将来にわたり隆盛していくことを願います。

また、誤解・誤読で炎上を続けさせた尻馬派には千田さんや太田さんを責める資格はないとおもいます。せめて誤解部分を今からでも見え消しで訂正することをおすすめします。
  

NHKのせいで誤解で炎上?そんなうっかりさんいるわけないだろ?ソース出せ? →はいどうぞ

1.キズナアイはAIだから自立意志があるはず」という誤解
増田でこの技術的誤解に基づき「服を自分で選んだならいいだろ」主張をしていた元増田は、指摘を受けたあと、自分の主張を消しました(その下にぶらさがってた折伏ツリーはこちら→ キズナアイはしゃべりの脚本家が特定されていない。今を生きる一人の少女.. )
しかし実際は、人工知能の得意、不得意を知って、AIと人間の違いを徹底分析!にあるとおりまともな会話ができるAIはフィクションにしかいません。ファッションもビッグデータから学習すればその範囲内で合成できる程度。NHKで自己紹介にAIだといってるキャラがいると立派な自律型AIだと信じたくなるのはわかりますが、NHKの罠です。

2.キズナアイには興味が薄い人をテレビの前に座らせて番組を見させる力がある、すなわちキズナアイはTV番組に出演しているはずだ」という誤解
元凶サイトをみれば、1分42秒の予告編のような動画しかないことがわかります。そして今ググって出るノーベルキズナアイ動画はそれがすべてです。*2
千田さんが「炎上している」と書いた時、キズナアイは「炎上」していたか? - データをいろいろ見てみるの、水蓮さん、はくろうさんのツイート(教員に動画かサイトの文章かを見せてもらった体験談)の下の補足にテレビのことについてふれています。
 
なお、この人は調査対象を受賞発表からとしています。元凶サイト内容を読めば、ノーベル賞の予測下馬評サイトで、ノーベル賞前の公開であることはわかるはずなのですがそこも誤読です(コメントに指摘あり)。

3.ノーベル賞サイトのどこにキズナアイのへそがあるんだよ!ねえじゃねえか」という誤解
スマホでしか元凶サイトをみていないと表示されませんが、パソコンからアクセスすると左から全身画像がスライドインします。*3

なぜ千田有紀先生は穏当な話をしていたはずなのに炎上してしまったのかを振り返る - この夜が明けるまであと百万の祈り
4番めのコメント内
「>キズナアイはネクタイしたハツネミクと違って、へそ、ちちわきで素肌を出すという公人女性としてありえない格好をしている。
まず、会話中は画面の下の方に隠れていてへそは見えないと思うのですが、なんの映像を見たのでしょうか。」
パソコンから一度みてもらえないでしょうかとお願いしておきました。

 
会話しないと炙り出せませんので、氷山の一角だとおもいます。
今回結果的に調査に協力していただいたことになった方にはお礼申し上げます。(これで私の「通報」行為は少しは拙速じゃなくなったかな? ってか見落としするほうが拙速では?)
元コンテンツのまさに指摘されている特徴を見おとして議論に参加した人は自分がいつのまにかポリコレ棒(フェミ叩き棒)を握っちゃってると思って反省したほうがよいでしょう。
 

多少誤読があったところで論旨はあってるだろ。キズナアイがNHKでてどこが悪いかわかりません →説明しましょう(蛇足ですけどね)

一言で言うと世界観が違うスジ悪のコラボだからです。
世界設定がちがうゲームなどで配慮なくコラボすると炎上しますよね。
ふつうのフィクションのコラボだと、両方の制作スタッフで設定を監修し事前調整します。
たとえば「A世界の○○スキルの存在は、B世界で主人公が解決した××問題への功労を、一瞬で無にしてしまうからマズイ。時間軸をずらしてB世界の問題解決後の時空と、A世界の○○スキル発見前の時空がつながったという設定にしてコラボしよう。」などといった調整です。
この調整を怠ると、「違和感ありすぎ、原作レイプ、B主人公がバカにされているようにしかみえない」などといわれ炎上します。
 
そして今回の元凶サイトも、未調整のコラボでした。
・AIが自律する世界はまだ現実ではない。
・女性が公人として働くにあたりへそをちらつかせて怒られない世界もまだ現実ではない。
そんな現実とキズナアイの背負ってるVチューバー世界を特段の調整をせずにかさねてしまったわけです。
 
実は今回は3つの世界がかさなってます。
1つめは理系ノーベル賞の世界。科学法則と技術がガチ。AIは自律型のはできてません。
2つめは三次元女性の生きる世界。NHKに限らずマスコミは女性アナウンサーへの服装規範も厳しい。
3つめがキズナアイはユーチューバーのAI(人工知能)だよ!と自己紹介する世界。
そして今回のコラボでは、キズナアイの属するフィクション世界しか設定調整可能な世界がないです。1,2は現実なので選挙や法律や技術開発でしか動かすことができません。*4
ですので、世界観の違い(コラボ前に設定調整しておくべきだった箇所)を指摘するにあたって、キズナアイ側の属性を指摘せざるをえません。
キズナアイが自称AIだからおかしい。(現実のAIは自我や判断力は持てないのに。)」
キズナアイが自由すぎる服をきていておかしい。(現実では公人女性は好きな服を選べないのに。)」
どちらも現実では短文にしづらいくらいの細かい要素から検証をくりかえされる分野です。総合判定として「違和感」や「不気味の谷」がでることもあります。違和感があるかどうかは「感」といわれるようにかなり細かい込み入った判定なので、語るに面倒で、おなじジャンルの住人以外との対話では通じにくく避けられがちな話題でもあります。
だからといって解像度を下げ、ツイッターに乗るくらいの短文にすると、結論のみの暴論に読まれます。「それでは偽AIになるんだが」とか「それでは空気読めないキャラになっちゃうんだよ」くらいでダメ出し指摘しても、キズナアイのファンはアイそのものをディスられたと考え自然発火して、「お気持ちですか」「理由は、根拠は?」と反発し、違和感の説明はノーサンキュー。それでは両陣営が「どうしてわかってくれないんだ」で川の両岸にとどまり渡れないままです(だれかが橋をかけはじめても言い方が気に食わんと全力で川に叩き落とす)。

結局、世界観のこみいった話には一向にたどりつけないのが炎上の一つの原因になりました。*5
世界1と世界3からきた出演者が、お互いに気を使って、楽しそうによどみなく喋っていても、世界観は画面の左端からも、キズナアイが読まされている原稿からも、細かいところににじみ出てきますので、だめなコラボのままです。NHKは結局「どうしてキズナアイの世界をポンと現実に重ねてみせたのか」には説得力ある答えが出せませんでした。
もし出演者の力量だけで解消するのなら、もっと出演者に背景を語らせられるような自由度のあるしゃべり場が必要でした。*6
結論として、演者さんには出演したタイトルが不評で気の毒ですが、それだけで全体の世界観の違いからくる違和感は解消できないし、実際、コラボを企画したNHKからは、世界観調整になるフォローも何一つなされていませんので、元凶サイトは当初からあったままクソコラボ企画として抗議されるべきクオリティーのままです。
もしこれでキズナアイのキャラクター性が傷つけられ壊れたとしても、クソコラボコンテンツに設定無視で無理やりうめこまれた歯車の自壊現象でしかないとおもいます。
むしろ、キズナアイの本当のファンならそれを阻止できるようNHKへの抗議と訂正要求(フォロー要求)をする場面ではないかと思うのですが。

 

*1:おおむねというのは、消去済みコンテンツまで調べてはいないため

*2:魚拓でみると、その1分42秒動画さえ掲載されていなかった時期があるようにみえますが動画保存できない仕様かも。https://megalodon.jp/2018-0927-1944-51/https://www3.nhk.or.jp:443/news/special/nobelprize2018/index.html

*3:魚拓は上と同じくhttps://megalodon.jp/2018-0927-1944-51/https://www3.nhk.or.jp:443/news/special/nobelprize2018/index.htmlで、ここにはにゅっと出るキズナアイ全身図はありませんが、仕様に詳しくないのですが、動画やアニメーションは魚拓では保存されないのかもしれません

*4:現実側の設定確認はNHKのお家芸のはずですがほんとにどうしてこんなことに? せめてあらかじめ「キズナアイとは自分をAIだと思い込んでるキャラです、現実のAIとは異なります」と説明入れとくとか「違和感あるってわかってて敢えてコラボやってるんだ」っていうポリシーを示せるフォロー方法がなんかあったはず。セルフプロデュース以下だよ。

*5:どれもローカルルールが強く存在する世界なのですが、世界2は通常の女性であれば全員含まれます。世界2のなかに世界1や世界3の住人も兼ねた人も居ます。とすれば、まず世界観がズレてるコラボを判定できるとしたら人数の多い2の住人になるのは自然の流れです。 ところが、世界3だけにしか住んだことのない住人が、通報や指摘をした人は2ヒッキーに違いない(実際は1や3の立場の人も含まれていたのに2ときめつけて)、2の攻撃行為がおかしいと自然発火するわけです。2に住んでいる千田さんがさほど多くない3や1についての知識まで総動員してどれだけ言葉をつくしても、3の人たちは元凶サイトもよく観察せず「仮想フェミ」狩りに熱中し、世界観ズレへの指摘としてみてくれる人がほとんど出ませんでした。

*6:わたしの好きなゲームではよく声優さんと制作スタッフさんが生放送してますが、声優さんご自身のキャラへの視線が示されることはさりげなく火災予防にもなっていて本当に安心して楽しく見てます。炎上しないコンテンツには出演者(中の人)とスタッフの細かい気配りや、それを「いわされ感」なく表出できる自由な場が必要ですよね。もちろん、キズナアイもvチューバーですから本来はそっちの力量がすぐれているはずのキャラですよね、よく訓練されたアナウンサーみたいな相槌役じゃなくて。