古い製図用インクのビンの中からペン先がでてきた。
振ると音がするので不思議に思い(固まったインクの音でもないし)、
使う目的もないのに瓶をあけて、
割りばしペン2本で中身をさぐったらでてきた。
いつ落としたのか気づかなかったから驚いた。
(もしかして、インク馴染みが悪いのが気に食わなくて、わざとおとしたのだろうか)
割りばしペンというが、
京都・京菓子の老舗 甘春堂 本店
こちらについてきたクロモジ(高級な楊枝というか、ナイフとフォークの役割のもの)である。
だから材質はクロモジの木だ。
これに限らず、安い竹串やお弁当の割りばし(食事に未使用のもの)でも特殊なインクの筆記具には向いているとおもう。
適当に削ることもできるし、インクも吸い込んで吐き出す。
クロモジは濡らすと少し反るのだがかまわずつかった。
つけぺんとインクをいじることになった、その
発端は、ラメ入りインクをもらったことだ。
ラメインクは、使い方がむつかしい。
TAG STATIONERY | 光インク Sun(陽)store.tagstationery.jpすぐラメが沈殿してダマになったり内部に固着するので万年筆には向かない。
ラメは金属で比重が重たいので、分離して、瓶底にラメが全部たまっている。
保存中のたまりっぷりが外からよく見えた。
インクをくれた人は握力が弱くてインクの蓋がぎゅっと締められないから、
液面が随分下がっていて、スポイトの中もカチコチになった固体がつまっていた。
浄水を足し(自己責任。硬水は余計悪くなる)、
蓋をしめたインク瓶をめちゃくちゃに振ったり、
蓋をゆるめてスポイトも瓶内に噴射しまくって、
ようやく再分散させたが、
こまかいダマはどうにもならない。
というわけでラメインク(ダマあり)で描くのなら、
つけペン(金属ペン先かガラスペン)、それに竹串や割りばしペンがよい。
中でも、割りばしペンのクロモジが描画や塗り絵にはつかいやすかったのだが、しかし太いから罫線には向かない。
で、細い罫線を書くのに金属のペン先をつかってみた。
ラメインクは少量で高い。
ゆえに、インク瓶が小さくて、口がせまい。
ペン先をそのままどぷりとつけることはできないので、
もらいものの醤油小皿にプラスチックのアイスやプリンに添付されるスプーンを横たえて安定させ、
そのスプーンの皿に一滴ずつ添付のスポイトでたらした。(インク瓶のふたにスポイトがついているのだ)
垂らしたインクにペン先の背側をおしつけることでインクを含ませた。
実際のところ、手違いで机の天面に垂れたインクが、一番ペンになじませやすかった。
というわけで、スプーンも、深くないものが楽だった。
今は100均(文具につよいセリア)で新しいペン先と軸のセットが買える。ガラスペンもある。
家にあったもの(画材店で買った)には軸だけで360円の値札があって、いやもう価格破壊すごいなと思った。
セリアのつけペンセット | 文房具好きのブログ
100均セットにはペン先が三種類ついていた。
スクールペン(Gペンと似た形で堅い)、丸ペン(やわらかく細い)、Gペン(太い・抑揚がつく)である。
罫線をかくには、固く、抑揚の出にくいスクールペンがよかった。
ちなみに瓶の中にいたのは、スプーンペン(カブラペン)。これもスクールペン同様、固い線が引ける。
なおカリグラフィー(西洋習字)をするときは、
これらのペン先を切り落とした形のもの(が売っている)をつかう。
紙は画仙紙。これも30枚110円(セリア)だ。
スクールペンを紙におしつけると、わずかにペン先がひらく。
インクがきれた時点でもちあげると紙の繊維を微量につまみとってしまう。
次も直線だからかまわずそのまま書いた。
新しいペン先には被膜がついており、インクがなじまないので短い線しかひけないが、
白いはがきに罫線を書いているうちにインクがなじんで長い線もかけるようになった。
(最初に
ティッシュでよくふき取るか、ライターで炙るとすぐにとれるのだが、すっかり失念していた。
ラメの摩擦で取れたのかも)
罫線は、これも古くて高かった手持ちのLEDトレス板に、
便箋付属の罫線をはさんでこれをなぞる、「本来のトレス」をした。
なお、トレス台とおなじで光が強いものは、冬期うつの治療用としてもっと高く売っていることがある。
白いはがきをのせてトレスとはいえフリーハンドで引いたが、なかなかうまくいった。
きっちりしすぎない、味がある線になった。
画仙紙はもっとにじみそうだとおもっていたのだが、
普通の水彩より、あらかじめ紙をぬらさないと、にじまない。
きれいなラメの罫線のはがきができた。
これは印刷所にたのむとめっちゃ高いやつ。
いままでみた金箔では
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これがいちばんきれい。
次は
で自作箔だが、画仙紙には(糊が均一に乗らないので)向かない。
できたハガキになにかキレイなフレーズを描くと似合いそうだ。たのしい。量産したくなる。
とはいえ、付けペンは、上向きの線をひきにくい。「の」とかつっかかって書けない。
文章を書くならかぶらぺん(寝かせめで書く)か、全方向かけるガラスペンがよさそうだ。
インクは白光(黒銀色)、陽光(金褐色)、天光(銀赤色)。
どれも乾くとメタリックだった。二色性はあまり強くなかった。
たまにおなじペン先でスプーンをかえてインク変えはしてみたがなかなかうまくいった。
平面を派手にキラキラ*二色にさせたいのなら水貼りのにじみぬりがいいとおもう。
水筆で塗った紙にスポイトで落とす感じ。
実は一枚だけ濡らして直にスポイトで落とすのをやってみた。
だが、水が足りなくてインクがそのまま水滴でたまってしまったので、
吹き流しにしたらやはり全面ギラギラの派手ラメだった。フチだけちょっと分散基材のインク色が強く出た。
二色インクも家族の机にあるんだけど、柴崎先生の絵みたいな活用することはないだろうな。
冒頭の製図用インク黒の瓶
は、何の音だろうとおもったせいで、
よ~く振ってしまって泡立ってしまった。
蓋をあけてクロモジ割りばしをつっこんだから、ペン先は救えたが、
むくむくと泡がもりあがってあふれそうで、今度は蓋が閉められない。
こういうときは次のようにする。
クロモジ割りばしペンで泡をすくって、火で一瞬あぶると泡の中身が膨張して破裂し、消泡される。
泡を形成していたインクは、粘度と
毛細管現象により、
割りばしペンに戻る(少量だけ火花になって燃える)。
これを数度くりかえして、瓶の口の下まで泡面がさがったら、火をとめて
水道(うちは軟水が出るのでありがたい。さらに浄水モード)に移動。
瓶とクロモジを縦に構えて、クロモジに水滴をたらして、
濃厚になったインクを薄めながら瓶に戻す(数滴まで)。
これで蓋をしめられるようになったので片付けました。