残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

コミケ文化という言葉が官房長官の口から出たところで

同人誌文化の教科書的なブログでも書こうかと思ったのだけれど、目次というか標語だけで相当なことになりそう。
同人用語の基礎知識 (同人用語辞典) について
だいたい、↑ここと、コミケット準備会ホームページをすみからすみまで読めば偏り無くわかりますが、本当に長いし大変。
 
同人活動を始めるには、モチーフへの人並みはずれた愛着と、洗練された表現方法が必要なことはぼんやりと知られているとおもいますが、その他に、税務、著作権法と経理と接遇の知識、犯罪に合いにくく他人を傷つけない振る舞いまでを知った人間であることが必要だとおもいます。昔はおおざっぱに「オトナであれ」「ちゃんとした人間であれ」といわれたものですが、なぽりんが見るかぎり未成年であってもこれらをよく知っている、または周りに助力をもとめて上手く埋めている人もおり、ダブル成年(不惑)であっても一部分の知識が欠けて手助けも得られないままの人もいます。
 なぽりん的には「一度どこかの出版社でアルバイト・派遣を経験した人、または自営業で青色など自力納税している人であればものすごく始めやすいだろう。それ以外は難しいのではないか」と思います。

・まずいかなる場合でもヘイト行動(ネットでは荒し行動)をしてしまう可能性のある人は同人文化には向いていない。
・言葉、特に差別用語に敏感でないとヘイトを招く。ノーマルラブ・ノーマルカップル(ノマカポ)なども、ヘテロでないものがアブノーマルか?と強く違和感を抱く人が増えている。勉強が必要。

<<同人とお金>>

・同人で儲かることは99%ない。儲けたいという気持しかない人には向いていない。
・趣味の表現で儲けようとおもってはいけない。別の稼ぎ口で暮らせるようになってから本を作り始めよう。だが、「儲け主義」と他人を指さすのもいけない。そのサークルをよく観察してからにしよう。本を作る行為については、基本、儲からない。もしあからさまに儲け主義(商業主義)だと思っても、考え方はさまざまなのだから他サークルをヘイトしてはいけない。(明らかに誰が見ても違法行為なら警察など所轄に通報すればすむこと)
・万が一儲かったらきちんと納税しよう。脱税は犯罪。赤字の証拠は5年取っておく。
・(薄い本、チケット、グッズ)の転売のための大量購入、コミケ転売、コミケ徹夜は法律上は違法ではないが契約違反だし、まわりまわって正規購入者・遵法者のコストや行動制限を増やすことになるので、ほぼ完全に悪と認定されている。もちろんやってはいけない。

<<セキュリティ・犯罪>>

・公式へのファンレターはまず住所氏名を明記しないと読んでもらえない。また同人誌には奥付メアドは必要。イベント申し込み・同人誌通販も本名でないと振り込みと照合できない。
・それら最低限のもの以外ではできるだけ個人本名・住所・生年月日を明かさないほうがよい。
・詐欺・盗難・盗作・複写・ストーキングなどの犯罪(未遂)が散見されるので、対処するためある程度ガード法と正しい法律を勉強したほうがよい。もちろん自分が被害者でも公式・管理者・運営者との約束を守っていない場合は公式・管理者・運営者もこちらとの約束をまもってくれない。

<<イベントで同人>>

・対面交流は一番デリケートで難しい。よく下調べをして、あらゆる無理を避けること。
・スケッチブック・色紙についてはうけわたしが面倒ですが、知り合いさんと交換できることを自分の腕前を磨く目標にする人も多い。

<<温度差>>

・創作者に気軽に頼み事をする人は多いし、親しいのなら特に、してくれたほうがうれしいこともある。だが、思いこみツヨめの依頼にははっきり「ノー」が言いづらいことを考慮せよ。偉ぶるわけじゃないが別のだれかに(もしかしたら依頼者本人に)迷惑がかかるなど合理的な理由であなたに(だけ)は協力できないという場合がある。何かを依頼するとしても断る余地を最大限残した頼みかたにするようがよい。くれぐれも、ハブられたとか絵師のきまぐれと思いこんで2回同じボタンを押したりしてはいけない。高確率で相手から遮断(ブロック)される。(もちろん、依頼内容は誤解のないよう最大限詳しく伝える前提である)
・相手の断る理由がどうしても理解できない人は自分で本を作るなり一枚でも絵を描くなりしてみよう。解像度やレイヤー、禁色を知らない人とはしゃべりたくない気持がわかってくる。

<<公式>>

・生ものは隠語・伏せ字推奨。活動をしてほしいなら特に。
・公式に対して「ここまではやってもいいですよね」とむやみに迫るのは自分と他のファンの首を絞める行為。盛り上がりは見て見ぬふりするが、もし公開の場で問い合わせられたら法務とのかねあいがあるのでその時点でダメというしかないという意見がある。経営は常に一枚板ではないし、本来は公式がやりたくても人員などの理由ですぐにはできない、時間がかかるという事情もあったりする。

<<ジャンル>>

・**フォビア(嫌悪)と棲み分け厨・自治厨は違う。何かを嫌悪する心はもっていてよいが、自分が迫害されたことがあっても、他人にも嫌な目にあわせる正当な理由にはならない(棲み分け厨どまりなら正当)。多少の我慢で両者が上手く避ける知恵を働かせることが常に必要。他人に要求しすぎない。
・「**」には、同性愛、異性愛、逆カプ、地雷、原作解釈違いなど、ありとあらゆるものが入るので難しいが、適切な線をはみ出た場合は、さーっと人がひいて(フォロワーのリプライがへって)いくか、親切なフォロワーがいれば指摘があることもあるので、ありがたくうけとって棲み分けしておけばよい。
・というわけで読む前の「ご使用前の注意」やピクシブのタグは詳しくあったほうが、不幸な事故をおこしにくいので、よい。

<<マイナー・メジャー>>

・メジャージャンルは人数が多い分問題が目立つ。特に若い、参入したてのファンが多いのでしつこく注意書きなどして導く必要がある。
・マイナージャンルは悲しいやら寂しいやら孤独を愛すやら自家発電(=自画自賛)やらでそれなりに忙しい。
・下には下があるので「うちのジャンル数百枚しか、とか3人しかいなくて遠くてオフもできない」などと、迂闊なマイナー自慢をすると、10年間だまって1人で単一ジャンルを支えているような人(けっこう沢山いる)の深く激しい恨みを買うのでやめましょう。

<<プロになりたい・うまくなりたい>>

・情熱と才能と健康が揃っていなければ早めに見切りを。同人誌は懐が深いので、いつまでも趣味でつづけていられますが、商業誌で喰っていけるのはほんの一握り。ソシャゲなどどこにでも買取してくれるところがあるようにみえて、ダンピング(安値買いたたき)も横行しています。
・絵または文章が上手いのは説得力があるから本当にうらやましいことですが、やろうとおもってまねできることではなかなかありません。沼に何回かはまっているうちに、沼にはまりながらあたりを見渡せる余裕をつむと最短距離かも。(沼にまだはまっていない人はそのままのほうがお財布的にも生涯設計的にも平和です)

<<みんなのちからで>>

・イベントに使える展示会場がオリンピック以外でもなくなっていたり、夏コミで献血だったり、森林募金、徹夜を無くすなど、いろんなところで助け合いができる。それだけの人数はいる。

<<個人の暮らしで>>

・居職は気分転換を兼ねて家事にも向いている。
・ただ、運動不足で健康をくずしがちなので留意。
・自分の快不快をよく観察してコントロールすることが大事。

<<著作権の話題>>

・オリンピックエンブレム問題などは、反面教師として、不埒な要求をするクライアントへのお断りの口実として使われているらしい。(理系におけるオボカタさんと同様)
・考え方はそれぞれであるが、フォロワーの多い人の意見をみているかぎりけっこうみんな正しいしくわしい。というか書店やアニメスタジオの中の人が仮面かぶって同人してますから。

<<一番大事なことは個人の尊重>>

・あなたの萌えは私の地雷、私の萌えはあなたの地雷
・昼夜逆転者にとっての「常識的な時間のメール」は昼夜正常者にとっては非常識な時間のメール、逆もまた真
・お金の感覚も、犯罪の感覚も、すべてが違う者たちがせめぎあって「表現」をしている
・あなたが好きなものが「一流」「当然売れる」であるとはいえない。あなたもどこかで偏っている。あなたの感覚を他人に強制してはいけない。