残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

熱田神宮に対する個人的な思い入れ(刀剣乱舞)

熱田神宮宝物殿の一部館員が「太郎太刀」「次郎太刀」という呼称を拒否している件について - Togetter
なるべく手短にしようとしたのですが長くなりました。
大雑把な説明ですが誤解を恐れずいえば熱田神宮出雲大社とならぶ日本最古クラスの神道系宗教施設で、歴史の記録でも天皇家から何人も斎宮などが行き来しております。三種の神器の勾玉、鏡とならんで日本で最も歴史上重要な剣である「草薙の剣」も最後に熱田神宮で確認されました(壇ノ浦に沈むことはなかったらしいのですが江戸時代に盗難で紛失)(ゲームには未実装)。
熱田神宮は教育施設や刀の研究施設ではないです。さっきいったとおり宗教施設ですし併設の宝物殿もどっちかというと個人の実家にある先祖伝来の蔵みたいなものです。宝物殿での「太郎太刀」のある受付前の部分の公開にはお金をとっていません。お賽銭、宝物殿入場料をあげたからといってそのお賽銭は神様(主神:天照大神)に捧げるものであって「太郎太刀」公開の対価ではないです。また見るだけなら入り口のガラスの外からでもいつでも見えるところにあります。自分は初詣の帰りの深夜に、あっ今日も太郎いるねと入り口の外から少し眺めて帰ったりします。
他の博物館とちがって、特別展やるからチケット/整理券とって列をつくってというふうには現状はなっていません。もともとずっとそういう公開状態ですしおそらくこれからもそうです。
つまり敬虔な信者のみんなの心の財産にしてねという広い心で長年公開しているものなので、どういう状態か、どこまで歴史的経緯に信憑性があるかくらいは下勉強していってほしいです。そしてそこにいる方が学校の先生なみに親切で教えたがりであることも期待しないほうがよいかとおもいます。なんの対価もなく何年も不勉強な他人に親切をしつづけるなんてのはただ単なる苦行です。本来の宗教施設からすると業務の邪魔でしかないですよね。
一期一振などが御物で万が一にも公開されないことに対してはみんなものすごく勉強してるし他のモチーフ刀の公開でも博物館での並び方からファンの間でレクチャーされるでしょ。「太郎太刀」のモデルといわれる赤い一本線のある刀も遠回しであるけれど天皇家の所有物といっても過言ではないです。逆にゲームのほうが特殊な呼び名や人格を押し付けようとしている状態だということは認識してほしい。長い太刀で歴史上太郎太刀とよばれた刀はいくつか別の場所にも残っているんです。ゲーム内でわかりやすくたとえると巴形とか同田貫みたいなものです。ゲーム内では(修行などで)明確に熱田神宮由来ということになってはおらず、太郎太刀のみ宮司も着るような服を来て、「真柄」の「太刀」としてかつ「神格をあげるため(=本体が神社にある?)」修行してきたといっています。
熱田神宮の職員にしてみれば「あの由緒ある草薙の剣より、その他の由緒のはっきりした新刀古刀のかずかずより、「太郎太刀」という(歴史上正しくすらないかもしれない)あだ名ゆえに所蔵品の1本だけが有名になってるだなんて。そんなゲームと現実の区別がつかない子供の妄想にこっちが構う必要はない」とおもわれてもしかたないです。
わたしが数年前に訪れたときはあまり物を知らなくても会話のキャッチボールをしているうちに初心者向けにしては丁寧に説明していただけたのですが(同じ「壮年の男性」でした)、こういう騒ぎになるくらいなら、びっくりするほど冷たい対応は現状、じっさいにあるのだろうと思います。それは私も含めた大勢のファンのせいで嫌になられたのだとしたら悲しいです。が上記のとおり、逆に最初のほうに(まだ誰もつかれさせていないころ)お話を伺えた私たちが並外れて幸運だったとしかいいようがないことで、対応を改善しろという命令は「どうしてもそうさせたいなら上司(天照大神?)から話を通してください」となることが予想できます。
ぜひ「お邪魔しています」という意識で、礼儀を守って、おまいりと宝物殿拝観もなさってください。
5年前の記事熱田神宮で太郎太刀(真柄太刀)をみてきたよ - 残しておきたい雑談がある