残しておきたい雑談がある

リニューアルしたなぽりんブログ。(日常報告よりちょっとまとまったネタ)

デジタル入稿するときそろえる機材やソフトは画像ファイルから知れ

目次

画像ファイルの種類

拡張子で見分けられる。
二行目につけた読み仮名は私がよく使うものであり海外などでは違う呼ばれ方のこともある。

ラスター一枚絵

.jpg

ジェーペグ、ジェーピージー
圧縮率の高さ故一番普通にスマホ写真などでつかわれる静止画ファイル形式。
ただし一度画像サイズを小さく圧縮してしまうともとにもどせない。

.PNG

ピング、ピーエヌジー
jpgに似ているが、透明ピクセルが含有できる。ラインスタンプなど背景可変アプリ上で使われる透過絵で「四角以外の形」をしている絵はだいたいこれ。周りを透明ピクセルで塗っているからその形にみえる。シールみたいでかわいい。

.gif

ギフ、ジフ
jpgに似ているが、短い動画をつくれる。ツイッターのリプライやラインスタンプのアニメーションつきのものでよくつかわれる。

.tif

ティフ、ティーアイエフエフ
よくしらない。パソコンで使われるらしい。画像容量がとても小さい。

tga

タルガ
よくしらない。アニメ業界で使われるらしい。色があまり使えないのと1ファイル2ギガまでとかきいた。

レイヤーあり

レイヤーというのは層ということです。層状構造がある絵は加工しやすい。

.psd

ピーエスディー、フォトショップドキュメント
フォトショップという高性能な画像加工ソフトで最初に採用された形式。
今では同人誌印刷所への入稿もこれがないとお話にならないくらいに普及した。
レイヤーの中でもっとも一般的な形式の画像ファイルで、活字(フォント)や枠線をキレイに乗せたり外したりできる。
レイヤーの分、1つの作品でファイルサイズがデカくなりがちで、プロ漫画家や普通の雑誌だと表紙1ファイルで2ギガ超えたとかよくある。したがって送信手段が限られる(普通のメールは25MBまでしか添付できない)。

.clip

クリップスタジオペイントというペインティングソフトでのみ使われる独自の画像ファイル。レイヤーがつかえるソフトは多いが、クリスタのファイルでは特にドット表現のトーンレイヤーが縮小してもモアレになりにくい形で使えることが特徴。そのまま入稿はできない(psdやjpgやtifに変換しないといけない)

.sai2

サイツー
Sai2という高コスパなペインティングソフトでのみ使われる独自の画像ファイル。レイヤーが使えることが特徴。そのまま入稿はできない(psdやjpgに変換しないといけない)

ページあり

.pdf

ピーディーエフ。
レイヤーはないが、本みたいに複数ページに順番つけてまとめて閲覧することができる。
psdとおなじアドビがつくってるのでフォトショップつかえば互換性がある。
印刷所の一部でpdf入稿可能。
また、文書作成ソフトのMSワードも2018年ごろからpdfを作成することができるようになった(エクスポート機能)ので、同人書きのなかで長編小説やりたい人はかなりお世話になるファイル形式。

.cmc

クリップスタジオでだけつかえる、漫画用ページ設定ファイル。1ページずつはclipで、それをまとめたフォルダにcmcがあれば漫画フォルダとして扱える。
cmc入りの複数ページ作品はクリップスタジオでチーム制作が可能になる(チームメンバーも全員EX課金中のみ)。

ベクター

普通の画像はラスターといってピクセル1つずつの色を決めているのだが、それとは別のベクターという画像方式がある。これは線の向きと長さを決定することで絵を書くもの。データ容量が小さいから、ポスターや壁画などの大きい絵もキレイなまま送信しやすい。しかしベクターで原稿をつくっても、入稿時にはプロでないかぎりラスター化したほうがいい。印刷所の多くは、epsやフォントが使えてもあえて入稿できる原稿の種類に書いてないで「ラスター化して統合したもののみが入稿可能」としつこく注意してある。理由はお察し。

.eps

イーピーエス
アドビイラストレーターで開けるベクター絵。無限に拡大と縮小ができてあからさまにキレイ。プロっぽく見えるけどその分手間ひまがかかって難しい。

.ttf

トゥルータイプフォント
字が入ってるファイル。パソコンのフォント設定ファイルにいれると、ペイントソフトやテキストソフトでもその形の字が使えるようになる。
同人誌の表紙デザインなどでも(タイトル字も絵の内なので)よく選んで使う。
中には、記号だけをならべた(文章として読めない)フォントなど変わったものもある。
欧文フォントには無料のものもあるが、和文フォントのほうが字数が何千もあって多いので高額で買うことが多い。
せっかくダウンロードにこぎつけてもつかいたい漢字や記号が欠けているとがっかりする。
字の大きさはワードでも描画ソフトでも作るときに適度に調節できる
小説に使うときはちょっと太めのフォントを選ぶと目が疲れず読みやすい。
源瑛こぶり明朝は濁点フォントがあることで一部の同人書きさんにとても有名。

絵文字

拡張子は知らないがえもじ、emojiのなまえで世界中に普及している。
JISコードを持つテキストの一種で、読み込む機体(が採用している基本フォント)によって微妙に絵がかわる。
😂😁🤔🤨🥱🧜‍♂️🕴💪✨💓💦💬

ペインティングソフトの種類

フォトショップ

アメリカでアップルの次くらいに強いソフト会社のアドビがつくってる老舗ソフト。
ベクターやepsを部分的になら使用可能。pdfを1枚ずつ切り取って読み込める。出力はpsd、jpg、gifなど幅広い。フィルタもキレイ。他ページの自動化もできる。
なにより(pdf形式を独占したがるあまり他社にいやがらせしがちなアドビが)pdf形式を素直にあつかわせてくれる唯一の画像加工ソフト。
とはいえ.clip、.cmc、.sai2まではさすがに読みかきできない(psdでやりとりすればレイヤー構造とラスター部分だけは輸出入できる)。
買い切りが終了してサブスク課金できるようになってるので使う月だけ課金して使うのもよい。バンドル(パソコンなどとの抱き合わせ)は機能が悪すぎて使う気になれない。

クリップスタジオペイント DEBUT/Pro/EX

略称クリスタ。今となっては最強なのかも。アドビと似たような高めの値段帯。
クリップスタジオというファイル管理やネットワーク、ライセンス管理をうけもつ専用バックアップソフトがついているので他人が無料公開している素材を探して利用しやすい。
ランク別の名前がexとかproとかでわかりづらい。exのほうがプロより高いとかおもわないじゃん普通。プロは高い物使うとおもうんじゃん。こちとら素人やで。
EXまで課金するとゴミ取りとかグラデなど細かい便利機能が全開放の呼吸。まるで100円ショップの便利グッズみたいに痒い所に手が届くツールだらけになる。
漫画をアシスタントと共有しながらつくるときはEXが開催できるチーム制作機能を使うとやりとり自体は楽。入稿原稿への一括変換もしてくれるが、入稿については表紙合成などできず表1と4が分割されてしまうため、まだあまりこなれていない印象。あとクラウド保存がいちいち遅いのも困る。
買い切りは機能更新がないのでサブスク課金できるようになってるので使う月だけ課金して使うのもよい。バンドルされがちなDEBUTは機能が悪すぎ。それくらいだったらアイビスのほうがよいとおもっちゃう。
親会社の株を買うとずっとただで使えるらしいけど何年で元がとれるかはその時の相場次第。
(このあともずっとアドビからいやがらせされませんように…)
 

Sai2

買い切りに咲く一輪の花。5500円だせばずっと無料で使える最強ソフトで塗りも繊細でキレイ。
複数ページ機能なし。文字入れもできません。
とにかく動作が軽くて筆を使うのがきもちいい。一部でベクターもつかえて手が震えている人でもキレイな線が引ける。
クリスタproより少しマシだがEXには負ける立ち位置かな…。
 

アイビスペイント

無料でスマホ用廉価版のクリスタ。AI着色とかアップルペンシルとかピンチとかスマホならではの機能が面白い。あとタイムラプス動画(作成)も取れるしツイッターに投稿もしやすい。下書き、アイデア出し遊びには十分。でもしばらくするとでかい画面のパソコンとクリスタEXが欲しくなる罠。
クリスタに輸出しづらい…。

メディバンペイント

アイビスと似ているスマホ用。500円くらい微課金すると一部の広告は消せる。たぶん母胎はファイヤアルパカ?
 

入稿して自分の同人誌を作るには?

最低限、本文と、表紙psdを作れないと無理です。写真に文字をいれてpsdで保存するだけ、簡単、というわけにはいきません。サイズを変更しなければいけません。
 
そうなると、自分が使いたい印刷所さんの入稿可能なファイル形式やソフトについての説明を読んでから、ソフトや機材と作業期間、締め切りを自分で用意して、原稿を作り始めることになります。
たとえば
栄光さんの初心者ページはこちら。原稿の作り方 | 同人誌印刷・グッズ制作|株式会社栄光
まず基本的な心構えが下に書いてあり(完全原稿で入稿など)
ソフトを選べば、その中で書きだしすべきファイル形式をおしえてくれますね
でもいろんな事情までは検索しないと分からないとおもいます。

・「解像度が1200のページと650のページが本文内で混在しても大丈夫?」とか
(←キャンバスサイズさえタチキリありで統一されていれば大丈夫なところもありますが、印刷所のミスを誘発する場合もありますので「モアレ除けのため●ページのみ1200dpiにしております」などと入稿時備考欄に書いたほうがいいです)。
・「表紙が大きすぎて作業しにくい。表1と表4を別々に出したら追加でお金払わないといけないの?」とか。
(←そもそも入稿できない印刷所。デジタル入稿ならかまわない印刷所。アナログ原稿の別れ表紙だと1000円の面付料金がかかる印刷所もあります。)

 
こういう入稿ファイルについての説明は下まで全部よく読んだほうがいいです。
他に私がみたことがある入稿可能なファイル形式は、イラレの.epsファイル、ワードのdocxファイル、pngファイルで入稿できる印刷所などをみたことがあります。
まず「自分が希望するファイル形式で入稿できる印刷所」を探しましょう。
受け入れファイル形式が幅広い(=自分がpsd画像ファイルをzip圧縮したものを用意できないときに、ファイル形式変換をおまかせできる)丁寧な印刷所はちょっとお高く、他の印刷所より締め切りも早め(納品予定日時から長く遡り、客とのやりとり期間を確保している。)になるのはしょうがない世の摂理だとおもいます。
 https://www.eikou.com/making/
逆になれてきたらまずピクシブファクトリーの同人誌印刷所比較などをつかって自分にあった価格帯の印刷所をみつけオンデマンドでバンバン本がつくれます。
栄光さんも経験者にはこんなセルフチェック入稿について | 同人誌印刷・グッズ制作|株式会社栄光不愛想な感じ。
他も安い早いオンデマンド印刷所がありますが「psd(推奨)、png、PDF(本文のみ)。完成原稿のみお受けします」とぶっちゃけ記号だけがサイトにかかれております。試しにフォームからデータ送信してみるとその前に先払いカード番号を入力させ、すぐそのまま印刷。恐ろしいくらいに完全自動化が進んでいます。
なにかおかしいことがあっても原稿チェックしていないので、「ミスのある原稿はミスがあるままで」印刷してくれちゃうし、違うファイルを用意しても、そもそもフォームに入力する際にエラーがでてしまって入稿自体が完遂できません。
初心者には初心者向け印刷所と、どれか一つセリフ写植できてpsdが書けるソフトを入手することがとにかく重要です。

印刷所サイトを熟読して、オンライン専業(オン専)さんも紙本つくろうぜ!