「同人誌発行の費用がかさむことに悩んでいたら、コンサルみたいな友人に電子化したら?といわれて眼から鱗がおちた」というツイートがあって私はそれに大賛成なんである。
でもこのツイートのリプ欄にへんな人(おそらく若くて未経験で無知で相手がまともなことをいっているのに気づけない人)がいっぱいわいていた。
論旨「紙だからお目こぼしされるんですよ!?電子はダメダメ!」
なんだそりゃ。
なぽりんが整理しておこう。
1.まず同人誌が二次創作だなんて、元ツイートは1ことも言ってない。オリジナル創作同人誌をだれにお目溢ししてもらうつもりなのか。だれにも許可を取る必要はない。自由にやってよい。
2.次に元ツイが二次創作のことを含めていたと仮定しよう。紙本でも二次創作同人誌で訴訟までいかずとも警告をうける事件はあった(いくつか報道されたがここには貼らない)。「非営利なら大丈夫」というのはアメリカのコモンロウ*1のフェアユース*2という判断方法の一部をぬきだしたものに過ぎない。日本では著作権法上、全く法的根拠がない*3。「紙本だけが安全」、逆に「電子だけが危険」、のどちらも全く根拠はない。
3.次にクソリプ者が「二次創作の著作権法域外では紙本お目溢しが重要だという論旨だったんですぅ」といいのがれしてくる場合。これはグッズの商標法のことではないだろう(紙本っていってるんだから)。じゃあ、肖像権のほうかな? いわゆるナマモノ二次創作ですか。これも、アメリカの某ハリウッド俳優や日本のロックバンドがインタビュー番組内で紙本も電子二次創作も両方眼にして大受けしたりしている。いわゆる御本尊バレは今までたくさんあった。これも「紙だから許す」ってことはだれもいっていない。おそらく、ジャニーズ事務所がamazon書影でさえ写真を掲載させないなどの単なる圧力行動を、勝手に内面化し、他人におしつけてしまったのだろう。本尊には見せない、知らぬが仏のファン活動、を目指すのなら、電子二次創作はむしろ、クレジットカードをもたない低年齢層などへの拡散防止に優れた手段であることは(本当にナマモノやってる人の間なら)常識では。(とはいえ、とらなどの大手を使う人は男性にちらほらいるだけか)。
4.「ぐぬぬ、法律はともかく私自身が嫌なんです」という人の場合、そういうのは自宅のチラシの裏、それこそ紙に、かいておいてください。いちばん電子化しちゃいけない主張でしょそれ。
追記
同人誌即売会には「電子書籍そっと出し」よりずっと偉大な意義があるという意見には賛成です。それとこれとは全く別の話で、もちろん即売会にいけない作家、こられないファンのための電子書籍化も今の世の中では必要なものなので、電子化という手段のみを著作権おめこぼしというありもしない理由のために頭ごなしに否定する理由にはならないと思います。