雑巾:
ぞうきん、ゾウキンなどの表記が多い。語源は『雑』多な用途に使う『布』だが、ここでは狭義の雑巾を扱う。拭き掃除用(平滑で吸水性のない/低い表面に、必要に応じて水気・界面活性剤などの媒体を与えたり与えなかったりしながら、汚れを拭き取る用途)の掃除用品のうち、スポンジ(樹脂多孔質体)を除く繊維製品。英語ではwiperワイパー。
市販雑巾:
次に材質別の特徴を挙げる。
木綿タオル地雑巾:
100円ショップなどで市販の一般的な木綿雑巾は木綿の白タオル地を端が出ない3つ折りにしてミシン縫いしてある。義務教育においては各家庭から市販の木綿雑巾を所定数持参することが要求されることがある。フックつりさげ用の輪が縫い付けてなければならない場合もある。市販の新品を提出しないと怒られる。
化学雑巾:
やわらかな長繊維の化繊不織布や、より薄手の合成紙(一般的には黄色だが緑色なども存在する)に中性界面活性剤をふきつけてあり、電化製品などのほこりをとるのに適している。自動車内装・外装のほこりとりに使われるためのものもある。古くから市販されているものでは「サツサ」などが有名。
マイクロファイバー雑巾:
比較的高額なので雑巾とは呼ばないことがある。起毛タイプのタオル地に見えるものと、平織りのものがある。平織りのものは楽器やメガネの拭き掃除に向く。起毛のものは洗面所のガラス拭き、食器用グラス拭きなどに向く。材質はポリエステルのことが多い。
自作雑巾:
古くなった布製品からのリサイクル。ハサミをいれてはいけないし、孔の空いたものも自作雑巾には使えない。端の始末をしなければ拭き掃除をしても繊維が解けてかえって繊維汚れが増えるのため。一般的にいわれる「布製品をカットして『雑巾』に使う」というのはデマと考えて良い(多くは、正確には液体吸収剤としてのウエス用途でつかう雑多な布である。たとえばこぼしたサラダ油や牛乳を染み込ませ、燃えるゴミに出すためのもの)。端の始末がしてある小ぶりの布製品を切らずに転用するのがよい。
次に材質別の特徴を挙げる。
木綿タオル地:
漂白しても見た目がよごれて体を拭くのに向かなくなったが実際には清潔な薄地のフェイスタオル・ハンドタオルを転用するのがよい。3重に折ってミシンで縫う必要はない(絞れないし裏返せないので)。4つ折り~8つ折りにしてそのまま雑巾ワイパーなどにとりつけて使うか、足で踏んで拭いても効率が良い。細かい部分は手指にまきつけて使う。
靴下、下着、Tシャツ、バスタオル:
木綿が多い。雑巾に転用せずウェス、緩衝材、保護材に転用したほうが良い。保護材の例は靴下をイスの足やテーブルの足のカバーにする、足先をカットして束ねたコードなどをまとめるのにつかう、大きめのTシャツを傷の付きやすい革ジャンパーに着せかける、など。カットする場合はホコリが飛ぶので屋外でやったほうがよい。
ハンカチ、フェイスタオル:
木綿製のものが多い。そのまま小さい雑巾としても使えるがきれいなものはアクセサリー(腕時計など)の保護材、ミニ風呂敷などに転用するほうがよい。
フリース衣類
カットしただけで拭き掃除に使えるものになるが、防寒用で薄手でないため小回りが聞かないためつかいづらい。
ティッシュ、キッチンペーパー、ペーパータオル
乾拭きにも水拭きにもよい。安価で使い捨て可能。
雑巾の使用後の処理:
木綿雑巾、マイクロファイバー(裏打ちなし)のみ水での手洗や洗濯が可能。
あとのものは汚れたら指でほこりをつまんでとったり、裏返して新しい面を使用する。それでも使用に耐えなくなったら燃えるゴミとして捨てる。牛乳など高カロリー液体をたっぷりふくんだ場合、まず水洗トイレで便座をあげて絞って捨てることで周囲や下水の汚染を避けるとよい。木綿雑巾などでも油脂などの難易度高い汚れをたっぷり含んだ場合は自力洗浄をあきらめ使い捨てたほうが環境によい。
拭いたあとすぐ洗濯しないとカビるし、洗濯したあとはすぐ干さないとやはりカビる。洗濯の最後の脱水で遠心分離により水分がしぼりきられて水拭き掃除に適切な状態になるので、使用前にまとめて脱水処理だけするのもよい。乾拭き用をのこしておくとよい。
雑巾の環境問題:
化繊の雑巾からも劣化繊維としてちぎれた場合にマイクロプラスチックが発生し、洗う場合に下水、下水から海洋に流れて河川や海洋の汚染が発生する場合がある。環境保護の意味あいからすると雑巾は木綿が推奨。